京都府木津川市にある「神童寺(じんどうじ)」。
神童寺の創建の詳細は不明ですが、寺伝によると、594年〜622年の間に聖徳太子によって創建されたと考えられています。
その後、山岳信仰・修験道の開祖とされる役行者が神童寺を訪ね、この山で修行していた際に、2人の子どもの姿をした神童が役行者の前に現れ、その神童の協力を得て修験道の本尊である「蔵王権現」を刻み、神童寺の本尊としたと伝わります。
修験道の聖地・吉野の北にあることから北吉野山と呼ばれ、神童寺は修験者にとって要の地となりました。
本堂(重要文化財)
現在の本堂は室町時代の応永13年(1406)に再建されたもので、本尊・蔵王権現像が安置されています。
修験道の開祖・役行者が刻んだと伝わる本尊・蔵王権現像ですが、実際は室町時代の作。
収蔵庫
内部には多数の重要文化財の仏像が安置されており、神童寺が「文化財の宝庫」といわれる理由が分かります。
愛染明王坐像(重要文化財)
平安時代作、寄木造り、像高64.5cm
天に向かって矢を射ようとしている大変珍しいお姿で、「天弓愛染」と呼ばれています。
不動明王立像(重要文化財)
平安時代作、像高162.1cm
滋賀県大津市にある三井寺の「金色不動明王画像(黄不動尊)」を模したものといわれており、「波切白不動尊」とよばれています。
螺髪の不動明王は全国に八体しかなく、彫刻では神童寺と京都大原三千院だけで、さらに白く彩色されているのは神童寺だけだそうで、全国で唯一の大変珍しいお姿です。
また、光背も火焔型ではなく板光背であるのも珍しいそうです。
三井寺の国宝・金色不動明王画像(黄不動尊)
<神童寺>
【住所】京都府木津川市山城町神童子不晴谷112
【電話】0774-86-2161
【時間】9:00〜17:00
【拝観料】500円
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