
奈良県奈良市にある「興福寺」。
興福寺は南都七大寺の一つで、法相宗の大本山です。
興福寺の南円堂(重要文化財)は、弘仁4年(813)藤原冬嗣(ふゆつぐ)が、父の内麻呂の冥福を祈って建立されました。
現在の建物は、江戸時代中期の寛政元年(1789)に再建されたものです。
藤原冬嗣
平安時代初期の公卿・歌人(775年〜826年)。
藤原北家、右大臣・藤原内麻呂の次男。
嵯峨天皇からの信頼が厚く、810年の「薬子の変」で活躍、初代・蔵人頭に就任。
娘を天皇の妃にするなど皇室と血縁を深め、藤原北家の繁栄に大きな貢献をした。

写真は数年前の4月8日「仏生会」の時の南円堂。
4月8日は、お釈迦様の誕生日です。

花御堂に祀られた誕生仏に甘茶をかけます。甘茶の振舞いもありました。
今年はご時世的になかったのかな。。さみしい。。

内陣には、本尊の不空羂索観音菩薩坐像(国宝)を中心に、四天王立像(国宝)、法相六祖坐像(国宝)が安置され、これらは全て慶派仏師の康慶一門による制作とされています。
康慶は、天才仏師・運慶の父。もう一人の天才、快慶は康慶の弟子。

不空羂索観音菩薩坐像(国宝・鎌倉時代)像高 336.0cm

大般若経転読会
南円堂は普段非公開です。年に一度10月17日の「大般若経転読会」のみ特別開扉されます。
写真は数年前の般若経転読会。たくさんの人が参列されていました。
運慶ばかり注目されがちですが、康慶は慶派仏師の礎を築いた人。南円堂はその康慶の力を見せつける仏様が集まっています。
特に本尊の不空羂索観音は、大きくて力強く、迫力があってカッコイイです。
<法相宗大本山 興福寺・南円堂>
【住所】奈良県奈良市登大路町48
【電話】0742-22-7755
【日時】10月17日 9:00〜17:00 ※特別開扉時のみ
【拝観料】南円堂特別公扉 大人300円/中高生200円/小学生100円
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